当院の哲学であるオステオパシーは、体全体の構造と機能の調和を重視する自然療法であり、肝臓もそのケアの対象になります。肝臓は人体の「デトックスセンター」として重要な役割を果たし、血液の循環や代謝にも深く関与しています。オステオパシーでは、肝臓の機能を最適化するために、以下のようなアプローチが取られます。
1. 肝臓の位置と可動性を改善する
肝臓は横隔膜のすぐ下に位置し、その動きが正常であることが重要です。オステオパシーでは、横隔膜や肝臓を包む結合組織(腹膜)の緊張を緩め、自然な動きを回復させます。これにより、肝臓の血流が改善され、機能が向上する可能性があります。
2. 循環のサポート
肝臓は血液が集まる門脈と、全身に血液を送り出す肝静脈を持っています。この循環が滞ると、肝臓の機能が低下します。オステオパシーでは、体の循環システム全体を調整し、肝臓への血流を促進します。たとえば、骨盤や脊柱、横隔膜の調整が効果的とされています。
3. 自律神経のバランスを整える
肝臓の働きは自律神経(交感神経と副交感神経)の影響を強く受けます。ストレスや緊張が原因で交感神経が優位になると、肝臓の血流が減少することがあります。オステオパシーでは、神経系のバランスを整えることで肝臓の健康を支えます。
4. 内臓リリース技術(Visceral Manipulation)
内臓リリースは、肝臓を含む内臓の緊張を解放する技術です。これにより、内臓が正しい位置に戻り、肝臓の血流やリンパ流が改善されることが期待されます。
5. 全身的なアプローチ
オステオパシーでは、肝臓の問題が体の他の部位に影響を与える可能性を考慮します。例えば、右肩や背中の痛みは肝臓の機能低下と関連している場合があります。このような全身的な視点で治療を行うことが特徴です。
注意点
肝臓に深刻な疾患(肝硬変や肝炎など)がある場合は、医療機関での治療が最優先です。